2022年2月25日金曜日

相続の基本のき

2月19日(土)14時から、第3回めの終活のススメが開催されました。
今回は、「相続・遺言・成年後見を中心に』をテーマで、江島・猪之鼻司法書士事務所 司法書士 猪之鼻久美子さんを講師にお招きしました。
今回も、40名を超える方が参加されました。
まずは、相続の基礎知識を教えていただきます。
相続とは

民法で定められていて、人の死亡(失踪宣告も含む。)によって開始されます。

2018年7月の40年ぶりに相続等に関する民法等の規定が改正されました。

(配偶者居住権の新設、自筆証書遺言の方式の緩和、預貯金の払い戻し制度の新設、特別の寄与の制度の新設等…)

例えば、「葬儀費用等の引き出しが150万円までできる。」や「相続人以外の親族(お世話をしてくれたお嫁さんなど)にも認める。」などなど

書いてある文字を見ただけではなかなか理解できないことを、かみ砕いて説明してくださいました。

次に、相続するための手続きです。

民法915条「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。」と決められています。

相続発生後に流れは以下のようになっています。


次は、遺言(いごん)についてです。

遺言は、満15歳になれば、未成年者でも法定代理人の同意なく遺言できる(民法961条)と定められています。

なぜ遺言(いごん)をするのか…

 遺書(いしょ)とは違い、「自分の築いてきたものや思いをかけるもの」と考えます。

争族の回避や相続手続きの慣用化、法定相続人以外への財産の譲渡(事実婚・同性婚等)、遺贈や寄付のために行います。

遺言には、特別方式普通方式があります。

普通方式遺言自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言があります。

自筆証書遺言とは、遺言者が紙に遺言内容を書いたうえで作成します。法律の改正により、財産目録はワープロ等でも認められます。又、法務局での保管制度もあります。

公正証書遺言とは、遺言者が公証人2名の証人の面前で遺言内容を口頭で述べて、それに基づいて公証人が作成します。場所は遺言者が指定できるので、自宅や施設等でもできます。原本は公証役場で保管されます。

相続事例として、預貯金、株式、不動産、死亡保険金などがあります。

今後増えてきそうなのはデジタル遺産の問題です。ネットBK、暗号資産、有料サイト、課金アプリなど、パスワードの問題です。こういうのを、エンディングノートにきちんと記入しておくことが大事です。

成年後見制度(せいねんこうけんせいど)です。
 平成12年度にこの制度ができました。
 判断能力が、不十分なため、財産の侵害を受けたり、個人としての尊厳が損なわれたりすることがないように、法律面や生活面で支援をする仕組みです。
 
判断能力が衰える前「任意後見制度 
         予め支援者(任意後見人)を公証役場の契約により選任しておく。
判断能力が衰えた後「法廷後見制度  
         判断能力が衰えてしまった方のために申し立てにより、家庭裁判所が
         支援者(後見人)を選任する。
それぞれの違いなども、詳しくお話をしてくださいました。

最後に、男女共同参画協議会 上野会長より、お礼の言葉です。
相続は、人それぞれ違います。準備をするのに早すぎることはありません。
実際に検討する場合は、専門家を利用するのも一つの方法ですね。

次回は、第4回目は、3月5日(土)心の終活とお見送りの実際』講師に、ウェルネスサポートLab(ラボ) 理事 吉武 ゆかりをお招きします。

2022年2月7日月曜日

物の整理は心の整理

 2月5日(土)14時から、第2回目の終活のススメが開催されました。

今回は、『生前整理と断捨離』というテーマで、NPO法人孤立防止センター 理事長 速水靖夫さんをお招きしました。

今回も前回同様40名近い参加者の方が来られました。
孤立防止センターには、「見守りダイヤル」というのがあり、いろんな企業の協力があるそうです。

例えば、新聞や郵便物がたまっている。

電気のメーターは回っているのに、声をかけても何日も返事がないなど。

このようなときに、企業より孤立防止センターに連絡が入ります。

具体例を、お話してくださいました。

生き生き包括センターより連絡をもらい連絡がとれず郵便物がたまってきている方の訪問をしました。

大きな声で話しかけたところ、「はーい」と返事はあるけど、「顔を見せてください。」と言っても玄関先には出てこられない。おかしいと思い、上の階から入らせていただいたところ、意識はあるけど動けず倒れておられたそうです。

このような症例は女性に多く、2.3日動けなくて失禁等で汚れていたりすると、SOSを出せなくなるとの事。

命より大事なものはないので、「助けて!!」と声に出して言うことが大事です。

1年間に300件から350件の訪問をされるそうです。

「断捨離」とは…

 やましたひでこさんが提唱されたそうです。

   … 入ってくる不明なものを断つ

   … 不要なものを捨てる。

   … 物の執着から離れる。

このような意味があるそうです。

 ちなみに最近はやりの「旦捨離」は…

   旦 … 定年後の旦那。

   捨 … 毎日一緒に過ごすのは嫌だから捨てる。

   離 … 一人で気楽に過ごしたいから離れる。

 「わかる~」という方が、たくさんいらっしゃるかも…💦


老前整理(老楽支度)・生前整理・遺品整理の違いについて、ご説明いただきました。

遺品整理にはとてもお金がかかります。
洋服、食器、台所用品、布団などなど…物が多いほど、処分するのにお金がかかります。
3LDKで80万円くらい処分費用が掛かるそうです。
元気なうちに、こだわりや執着を捨て、身の回りの整理をすることは大事です。
また、物が多いと危険も増えます。
地震などで、棚の上に置いているものが落ちてきたり、床に置いているものにつまずいて転倒したりします。
たった一度の転倒が、高齢者の生活の歯車を狂わせます。
一度転倒をすると次の年に転倒する割合が、65歳以上の方では2.3割増えるそうです。
また、転倒後の不安から、活動が低下してしまうそうです。

老楽支度は、「気力」「体力」「判断力」がしっかりしているうちにするのが大事です。
老楽支度を実践して、毎日楽しく過ごしましょう。
人を呼べるような家にする。⇨ 生活環境を変える。⇨ 人との関わり合いができる。⇨ 助けてほしいときにSOSが言える。

ほがらかに楽しく、自分らしく老後を過ごしましょう。

まずは、少しずつでも始めましょう。
いつから始めますか? 「今でしょう!」
これで、第2回目の終活のススメが終了しました。

次は、第3回目は、2月19日(土)相続・遺言・資産整理と成年後見』講師に、江島・猪之鼻司法書士事務所 司法書士 猪之鼻久美子さんをお招きします。